ドイツでのボート免許について
ドイツでは、15馬力以下の船外機であれば免許は不要ですが、ライン川では5馬力以上の船外機を使用する場合には免許が必要です。
一方、オランダでは、最高速度が時速20kmを超えないボートであれば、免許なしで操船することが認められています。
私は普段、オランダでよく釣りをしていますが、時速20kmを超えたあたりから船が滑走状態に入ります。効率的に釣りポイントを移動するには、この滑走が欠かせません。滑走できないと次のポイントまでの移動に時間がかかってしまい、釣りの効率が大きく下がってしまいます。
もちろん、陸からの釣り(いわゆるオカッパリ)も楽しいのですが、どうしても限られたポイントを巡って場所取りの争いが発生してしまいます。その点、ボートでの釣りでは無数に魅力的なポイントにアクセスでき、より自由でストレスのない釣りが楽しめます。
さらに、ボートで釣りをすることで日常のストレスを忘れ、自然の中で開放的な気分を味わうことができます。そうした理由から、私はボート免許の取得を決意しました。
免許の取得には、釣り免許と同様にドイツ語が必要ですが、私は「Bootsschule1」というオンライン講座を利用しました。講習動画の音声を文字に起こし、それをChatGPTで翻訳させる方法で、無理なく学習を進めることができました。
また、ドイツで取得した船舶免許はEU諸国で有効です。
以下に、ドイツでのボート免許取得について簡単にご案内します。
1. 免許の種類を確認する
ドイツ国内で一般的な免許は以下の2種類:
免許名 | 対象となる航行区域 | 必要な場合 |
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SBF Binnen(内陸水路用) | 河川や湖(内陸水域) | モーター出力 15馬力(11.03kW)以上の船を操縦する場合 |
SBF See(海用) | 沿岸海域(ドイツから5.6km・3海里以内) | 同じく15馬力以上の船を操縦する場合 |
2. 受験資格
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最低年齢:16歳以上(SBF See / Binnen)
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視力検査・健康診断(一般に「ärztliches Zeugnis」と呼ばれる)
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身分証明書
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パスポート写真(証明写真)
3. 講習と試験の準備
📖 学ぶべき内容:
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航海ルール(衝突回避、信号、標識など)
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海図の読み方・プロッティング(SBF See)
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ロープワーク(結び方)
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基本的なエンジン知識
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安全装備の知識
💡 講習方法:
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ボートスクール(多くの都市にあります)
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オンライン講座 + 実技レッスン(時間がない方におすすめ)
4. 試験の流れ
📘 学科試験:
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選択式問題(問題集が公開されており、約300問程度のプールから出題)
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試験時間:約1時間
⚓ 実技試験:
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ロープの結び方
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出港・着岸の操作
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緊急時の操作(例:人命救助)
5. 費用の目安
項目 | 目安費用(ユーロ) |
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講習料(学科+実技) | 約300〜500 € |
試験料(学科+実技) | 約110〜150 € |
健康診断+視力検査 | 約30〜50 € |
教材費・海図など | 約30〜50 € |
6. 申し込み先
“Wasserstraßen- und Schifffahrtsamt”(WSA)が免許管理をしていますが、基本的には以下のような公式試験機関または認可スクール経由で申し込みます。
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もしくは地域のボートスクール("Bootsfahrschule"などで検索)